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【事業投資ナビニュース】EV販売が失速!? 真実をデータを見ながらお伝えします。

「ハイブリッドは売れているが、EVは失速している」という報道は本当なのでしょうか?
本日の議題は「EV失速報道の真偽とは?!」です。
データに基づいた正しい情報とEVの未来についてお伝えします!

 

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本日の議題NEWS「EV失速報道の真偽とは?!」

市川
市川
今日は正しい情報が発信されてないと感じた「EV失速報道の真偽」についてお話ししたいと思います。


「EV失速」というニュースが流れています。
メディアでは「ハイブリッドが売れてトヨタの1人勝ち」というニュースが多いですが、その真偽とは?

市川
市川
「EVが失速してる」というのは伝え方がまずいのではないかなと思っております。


これについて解説させていただきたいと思います。まずは日経さんの新聞を見ていきましょう。


「HV世界販売3割増でEV逆転 23年、トヨタは過去最高」
欧米、中国、日本を含む主要14カ国のハイブリッド車(HV)の2023年販売台数が、前年から30%増えて電気自動車(EV)などの伸び(28%)を2%上回った。

今年2月の日経新聞より


この記事は、EVの伸び率(28%)よりもハイブリッドの伸び率(30%)の方が高いのでハイブリッドが売れているという内容になっています。
しかし実際はハイブリッドが売れたからEVが失速しているというわけではなく、またEVが売れたからハイブリッドが失速しているというわけでもありません。


市川
市川
両方売れていて、要はガソリン車よりも、ハイブリッドやEVが売れてるということです。

EVは失速しているのか?

 

EVは失速してるのでしょうか?
実際に数字を見ていきましょう。

全世界でガソリン車しか販売できないようなところを含めても非常に売れていて、2023年度も全く失速していないです。


シェアを見ていきましょう。

世界でも18%、5台に1台EVが売れているという状況になっています。


【グラフの数値】
ヨーロッパにおいてハイブリッドは環境に配慮した車ではないとされ、PHEVとEVのみがカウントされている。
ハイブリッドの世界的状況は取りにくい。

市川
市川
けれどもEVの販売シェアも台数も増えている現状が世界的に見て取れます。
伝え方は本当に大事ですね。
30%と28%の2%の差が「逆転」と表示されていますが、大事なポイントがあります。


Question
(世界的に)ハイブリッドとEVではどちらがの販売台数が多いでしょうか?


Answer
EVの方が多い。


日米欧中など主要14か国の2023年の販売台数です。
ハイブリッドは30%増えて421万台。
EVは(PHVとEVを含めた台数)28%増えて1196万台。
トータル台数で見てもEVが売れています。

母数が大きいものが28%、母数の小さい方が30%。
母数の大きいものの伸び率が落ちていくのは当然です。


市川
市川
いろんな事業をやっておりますが、前年比28%の市場は失速とは言わないです。
28%伸びてる市場を探す方が大変なぐらい、非常に堅調だと言えるんではないかと思います。


もう一つ記事を見てみましょう。


「欧州で3台に1台が売れる 『ハイブリッドシフト』、見直し必至のEVシフト計画」

今年1月の日経クロステックより


EVが世界標準ではなくなり、ハイブリッドが世界標準となるかのような記事となっていますが、実は全く違います。


グラフもハイブリッドが33.5%、EVが14.6%となっていますが、説明部分にハイブリッド車(HEV+PHEV)と書いてあります。
ハイブリッドではなくて、PHEVが入っています。

 

【考え方のポイント】
PHEVはハイブリットなのか?EVなのか?(※後述します)


PHEVという表記は昔はありましたが、今はあまり表記されていないです。
要はPHEV(プラグインハイブリッド)はEVに入る傾向があります。

このグラフを見るとエンジン車が落ちてて、ハイブリッドが伸びています。
EVも伸びているけど、すごく低く見えます。


新聞などは正しい情報を伝えているので、疑って見ないと
「確かにハイブリッド来てるんだ」
「EVは全然伸びてない」という風に見えてしまいます。

小さく表記されていますが、これはACEAのデータを日経クロステックさんが作った独自のグラフになります。
意図的に「EV失速」という記事にしている現状があります。


記事を読み解いていきましょう。

PHEVとEVだけにしていくというヨーロッパの施策はだめなのではないか?
ハイブリッドが売れていますよということですが…

 

2017年から2023年の伸びを比較しています。
2.8%から33.5%に伸びたハイブリッド車と、1.5%から14.6%に伸びたEV。
「ハイブリッドが売れてます、見直ししないといけないんじゃないですか?」というニュースになっています。

市川
市川
けれども全く違います。
先ほどの日経さんの記事と違い、言いたいことあり気で数字を作ってらっしゃるなということなんです。
世界の動向ではなくヨーロッパを取っているのがポイントです。

 

ヨーロッパがEV100%を宣言して、世界がそれに倣った形です。
ヨーロッパの市場はもともとハイブリッドが売れていました。


ヨーロッパのEVのセールスシェアは2017年から、このように増えています。
このグラフにはPHEVが入っています。
先ほどの14.6%にもしPHEVが入っていたら22.3%になります。

EVとPHEVの販売比率を見ていかなければいけません。
セールスを見ていくとEVとPHEVに分かれてます。

 

両方売れていて、ブルーがEV、黄緑がPHEV。
PHEVが少し落ちている傾向で、EVの方がだんだん主力になっていることが分かります。
このPHEVの数字がハイブリッドに入ってしまってるということです。

2017年はEVが8万5000台、PHEVが8万9000台。
2023年度はEVが160万台、PHEVが85万台。

 

2023年の新車販売におけるPHEVの比率は7.7%になりますので、

先ほどの33.5%から7.7%を引くとハイブリット単体では 25.8%(33.5%+7.7%=25.8%)になります。

一方でPHEV+EV=22.3%(14.6%+7.7%=22.3%)ということでそんなに数字が変わらない販売台数になっています。

注目すべきはエンジン車とディーゼル車を含めた数字が50%を割ってしまっている点です。

 

ハイブリッドか、PHEVかEVになっているのが現状で、これからガソリン車がどんどん落ちていくのは明白です。
もし、PHEVをEVの方に持っていくとするならば、ほとんど同じ販売比率ということになり、しかも伸びているということになります。

【データから読み取れること】
2017年度からハイブリッドもPHEV・EVも両方とも20%伸びている。

市川
市川
ハイブリッドがEVの敵みたいになっていますが、 そんなことはなく、ハイブリッドが伸びてEVも伸びる要素は十分あり得るということです。

Question
PHEVはハイブリッドなのか?EVなのか?


Answer
明確にPHEVはEVの方に入る。

 

なぜならハイブリッド車は、

  • 「初速を電気の力で補っている車で、電気のみで走行はできない」から。
  • 「大体50~60km/hを超えるとガソリンに切り替わる」から。
  • 一方PHEVは「電気だけの走行がメイン」だから。

 

日本車は今、電気だけで100km走れますが、世界(特に中国車)を見渡すとPHEVが300km電気で走行し、ガソリンも含めて1000km走れる車が出ています。
しかし現状はインフラの問題がありますので、EVだけでは心許ないと感じています。
特に国土の広い中国やアメリカでは、ガソリンスタンドが広がってます。
インフラが整ってないEVだけでは頼りないということで、「EVが欲しいけど、EVだけでは怖い」ということで、ガソリンでも走れるPHEVを選ぶ傾向にあります。

ただ、先ほどのグラフを見るとPHEVは世界的に落ちています。

 

「EVの性能・走行距離が上がっている」ことと、「インフラが増えている安心感」からEV100%の動きになってるのが現状です。

PHEVはハイブリッドというよりはEVの方です。
集計では世界的にもPHEVとEVを比較してますし、今PHEVはEVの方に近づこうとしています。

EVの走りを広げられるように、電池の量がだんだん増えているのが今の世界のトレンドになっています。

ハイブリッドはなぜ売れているのか?


次に、「なぜハイブリッドが売れているのですか?」ということが、
「EVよりハイブリッドの方が良いから」という取り方をしているニュースやメディアが非常に多いですが、全く違います。


Question
ハイブリッドはなぜ売れているのか?


Answer
電気の走りが欲しいからではなくて、30~40km/L 走行出来て燃費がいいから。

Question
なぜ燃費のいい車が売れているのか?


Answer
世界的にガソリンが高くなっているから。


ガソリンが安いと言われているアメリカでさえ、このような状況です。
10年スパンです。


特にコロナ後に一気に価格が上がって、今のアメリカは石油が取れますけど、そういう国でさえ今の日本と同じ、140円~150円/L になっていて、今の為替でも75円~80円だったものから倍になっています。

ヨーロッパはもっとひどいです。



元々の税金もあり、ガソリン代が高いです。
2ドルを超えているので、300円/Lです。


燃費の良いハイブリッドが売れているのが正しい戦略で、ハイブリッドに強いトヨタさんも売れていることは間違いないです。
けれどもこれはEVが減速してるのではありません。


【ガソリン車とハイブリッドの関係】

  • ガソリン価格が高くなった → ハイブリッドの方が燃費がいい
  • ガソリン車とハイブリッドの車体価格の差が小さくなった(30万~50万の差)

市川
市川
つまりガソリン車を選ぶよりは、ハイブリッド車を購入する動きが世界的に起こっています。


先ほどのグラフで日本を見ていきましょう。


確かにEVのシェアは低いですがセールス台数は売れてます。
EV元年の年からの伸びを見ると、売れてるのが見て取れるのではないでしょうか?
まだセールシェアは低いですが、確実に伸びていると見て取れると思います。


「日本でまだEVが遅れている最大の理由」は?

Question
「日本でまだEVが遅れている最大の理由」は?

 

Answer
買う車がないから。


日本では輸入車の比率が7~8%で、92~93%が国産車です。
90%以上の方が国産を選ぶ中、EVのラインナップがまだないというのが日本の現状です。

市川
市川
トヨタさんが本気を出す2027年まで日本は、3~7%の数字で伸びていくと思います。


輸入車がEVに力を入れてますので、日本の市場も輸入車が10%を超えてくるかもしれません。

市川
市川
ここは危機感を持たなければいけない。
世界的にEVが売れてるという現状で、トヨタさんホンダさん日産さんが「EVで成功していなくても大丈夫」と安心している状況は良くない。
日本メーカーも「EVを売らないといけない」という危機感を持って、日本の皆さんもEVシフトについて「もっと頑張って欲しい」という認識を持ってもらいたい。


頑張れば逆転できる市場ですが、先行の利があります。
日本の消費者が「EV頑張れ日本!」とならないと、EVで戦えなくなってしまいます。

車大国であった日本がもっと世界に羽ばたけるように、「日本ではEV売れていないからいいや」という意識ではなく、日本でもEVを売って、マーケティングをしながら、日本で売れているものを世界で発信するのが日本の本来のやり方ではないでしょうか。

インフラについて

EVを購入している方は、カーボンフリーだからというより、「車として出来がいい」から購入しています。

市川
市川
インフラ・充電問題を取り除けばEVは優秀です。
居住性や静寂性、モーターの耐久性など、車としての性能はガソリン車を超えてきたと思っています。


ただし、インフラです。
とは言いながら日本では7割が戸建て、3割がマンションや集合住宅です。

市川
市川
(戸建ての)7割の方は自宅充電ができるので、EVを買っても問題ないと思います。


1日300km以上走らない方に関しては、毎日自宅充電で満タン状態にすることが可能です。
充電を気にすることは一切ないです。

EVシフトについて

CO2はもちろん減らさないといけませんが、排ガスはCO2だけでなくあらゆるものが出ています。
環境破壊の意味でもEVにシフトするべきではないでしょうか?

市川
市川
EVシフトは50年かけて変わっていくべきだと思います。EVシフトが進むのは間違いないと思っています。

そういった事実を持って、どのタイミングでEVを買うかを考えていけばいいのではないでしょうか。

今からガソリンシフトにはならないし、ハイブリッドシフトにもならないです。
e-fuel※になるという話がありますが、e-fuelは高価なエネルギーになります。

e-fuelとは?
空気中にあるCO2を水素と結合させて、高温で燃焼させて作る燃料。

e-fuelの価格は今、700~900円/Lです。
これが今のガソリンと同じ値段になるのは2050年と言われています。
その頃にはかなりEV化が進み、高級車がそういったエンジンを使って乗っていくためのエネルギーになると推測されています。

 

【別動画】
「EUが認可したe-fuelってなに?」

市川
市川
いろんなご意見があると思いますが、今後EVシフトが進むのは間違いないと思っています。
「EV失速が世界的なトレンドだ!」という考えは間違いです。EVは失速していませんよという情報でした。

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